K2さんの雑記
2004-08-02(Mon) [長年日記]■ ジブリの仕事のやりかたほぼ日刊イトイ新聞で連載中の、「ジブリの仕事のやりかた」。ジブリはやはりぶっ飛んでいるので、なかなか一般の仕事に当てはめられる事項がないのだけど、今回の高畑さんの3回目は、「雑用係がめぐまれている」という主題。これは、一般にもそのままあてはまると思う。 働きだして下っ端の間、責任ある役割を担わされるまで、結構人は焦ったり不安になったりするものだ。こんな雑用ばかりやっていて、将来はどうなるのだろうとか思ってしまう。雑用係で暇な人は余計に。 私にもこれまでの間、期間を置いて計2年くらいは仕事がほとんどなかった時がある。会社には来ているのだけど、何もすることがない。しかし、何もすることがないと自分で表明したくない。表明すると雑用が振られるから。だから、うちへうちへとこもる。 しかし、この時間の間にやったことは、自分の好奇心や知識を広め・深めるのに、かなり役立っていると思う。こういう時期があったから、TaskPrizeもK2Editorも生まれたし、その間に設計の仕方というものを学んだ。これは実務で学んだものとはかなり異質で、今自分が設計を切り盛りする立場になったときに、いろんな考え方ができ自分の長所になっていると感じる。 入社したてのころも、ちょっと特殊な事情でかなり暇だったのだが、この時には、学生時代に勉強したことがなかった電気の基礎を勉強し、これも自分のベースになっている。 歯車の中にうまく組み込まれないで、不満・不安に思っている人は、その時をいい機会だと思って、自分を延ばすことを積極的にやっていってもらいたい。その場にいれば、なかなかそういう前向きな考えを持つことは難しいと思うが。いったん歯車に組み込まれてしまうと、自己研鑽を行うのは、そういう時代に比べて、一桁多い努力が必要になる。 ■ 理科は実生活で役に立たない?「役に立たないと思っている子供が5割」 中学までの勉強って、あんまり役に立つ、立たないという打算で勉強しないと思う。子供が何かやる原動力は好奇心・おもしろいと思う心であって、それさえあれば無限の実行力が子供には備わっていると信じる。 「役に立たない」というのは、その勉強がしたくない言い訳であって、もし大人がその風評を流布しているのであれば、好ましくないことだ。子供に言い訳を与えているわけである。「役に立つ・立たない」という視点は捨て、「おもしろく」することを考えるべきではないのだろうか。 しかし、「好き」が7割というのは、私は教育関係の話を読んでいて、久しぶりに明るい気持ちになったよ。理科が好きと感じている子供がこんなにいるなら、日本の将来も捨てたもんじゃないぞ。その気持ちをつみ取ってはいけない。 ただ、よくわからないのだが、これは「ゆとり教育*1」の結果であるとしたら、思いは複雑。内容が簡単になったから好きになったとしたら、ちょっとなぁ... しかし、「好き」であることが重要なのだからと自分自身を諭す。 さて、実際に理科が実生活に役に立つかどうかだが、当然私は役に立つと言い切る。理科が役に立つ仕事につけば当然役に立つわけだが、それ以外でも、例えば通信販売で買い物をするときとか、本を読むときとか、「買ってはいけない*2」を読むときとか、ニュースを見るときとか、自分で真偽判定をしなければならないとき、理科的な・論理的な考え方ができるというのは大きい。「これはくさい」と感じることができるセンスは、理科や数学などを勉強することで養えると思っている。 効果が疑問視されるものが、それなりのおかしな説明で消費者をだましていく場面が多い中で、現代人として、このセンスを養っておきたい。 余談だが、ピップエレキバンは、何ガウスの磁場が磁石から出ていると説明されているが、なぜ効くかは発売元もわからないと表明しているそうだ。こういう発売元の態度は、私は好き。これは消費者をだましていないから。消費者の判断で買ってくれと消費者に判断を仰いでいる態度は潔い。これで売れていれば万々歳なのではないか? 1965|09|
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