[映画]市民ケーン

感想
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「生命の<系統樹>はからみあう」を読んだ中で、作者が自分は市民ケーンの中で顔が見えない記者のようだと書いており、この映画をおすすめしていた。Amazon Primeで無料で観られるようなので、観てみた。

1941年作のアメリカ映画でオーソン・ウェルズの監督第一作目。Wikipediaによると、公開当時サルトルらから酷評されたらしいが、後年非常に評価の高い映画である。

映画の中で描かれるチャールズ・フォスター・ケーンは、貧しい宿屋に生まれるが、ある客から宿賃の代わりに納められた金鉱の権利書に非常な価値があることがわかり、権利書の所有権を持った母親がニューヨークの銀行家に権利書と一人息子のケーンを預け、25歳の時に運用益と共に相続させるように手はずした。父親は映画ではケーンをかわいがっているように見えたが、折檻が厳しすぎるような表現もあり、母親がケーンをニューヨークに預ける理由にもなっている。

その後ケーンは、遺産に含まれ相続した新聞社を自分で経営し、ゴシップも書くがアメリカ一の新聞社に育てる。大統領の娘と結婚し、州知事選に立候補するが、女歌手との情事のスキャンダルが発覚し断念、その後離婚、女歌手と結婚、彼女をオペラ界にデビューさせ、ザナドゥ城と呼ばれる宮廷をフロリダに建て彼女と共に住むが、歌の才能のなかった彼女は歌をやめ、結局彼を捨てて出て行ってしまう。晩年は一人でザナドゥ城で過ごし一人で亡くなる。

亡くなる際に握りしめていたスノードームを落とし、「バラのつぼみ(ROSEBUD)」とつぶやく。

映画は、この亡くなるシーンから始まり、ケーンの一生を報道しようとするニュース記者が、「バラのつぼみ」の意味を求めて、ケーンのことを調査していく物語である。

最初に、ニュース会社が作成した、ケーンの一生をダイジェストにしたムービーが流れ(これでおおよそのケーンの一生がわかる)、このムービーをもっと面白くするためにニュース記者が取材を開始する。

取材をする中で、ケーンは愛を求めるが人に愛を与えることができないことを原因とする離婚、友人関係や、対労働者との付き合いなどが描かれ、2人目の妻に捨てられる際にも、妻から「あなたの行いはすべて自分のため」と喝破される。この後、自暴自棄になり妻の部屋を荒らすが、その途中にスノードームを見つけ、「バラのつぼみ」とつぶやく。

結局記者は、「バラのつぼみ」の謎は解けない。映画の最後にザナドゥ城にあったケーンの収集物が燃やされていくなかで、子供の頃の遊び道具だったおもちゃのそりに印字されていたロゴが「バラのつぼみ」だったことが明かされる。

ケーンは妻に捨てられスノードームを見た際に、子供の頃に育った母屋を思い出したのだろう。早くに親から引き離されたケーンは、母親の愛に飢えていた。それにより、愛を与えず求める続けるようになってしまった。

簡単に言ってしまえば、愛は金では買えないというのが主題になってしまうが、一人の大富豪の影はあるがきらびやかな人生の物語とも言える。人生は孤独である。どんなに金と地位と名声を手に入れても、最後には母親の愛に帰るのだろう。

私の母親は逝ってしまった。大人になれば、孤独を感じることも多いが、母親に見返りの要求なく愛されていたという実感に戻れば、母親はいなくても自分は生きていける。この記憶がない人のことは想像でしか語れないが、日々の孤独感にさいなまれた時には逃げ込める場所がないのかもしれない。自分は母親に愛されてよかったと、この映画を見て感じた。

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