[映画]インターステラ-

感想

twitterで話題になっていたので、視聴した。

Amazon.co.jp: インターステラー(字幕版)を観る | Prime Video
【本編のみ収録】地球の寿命は尽きかけていた。居住可能な新たな惑星を探すという人類の限界を超えたミッションに選ばれたのは、まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男。彼を待っていたのは、未だかつて誰も見たことがない、衝撃の宇宙。はたして彼は人類の存続をかけたミッションを成し遂げることが出来るのか? Rating G (C) 20...

2014年米英合作。

時代はそんなに遠くない未来、地球は環境変化のためか、滅亡の危機を迎えている。植物が枯渇し、酸素濃度が下がり、人類は数年以内に滅亡すると予想されている。それを救うためにNASAは地球外の移住地を探査する秘密計画を進めていた。主人公のクーパーはパイロットとエンジニアの腕を買われてそこに参加することになり、未知の存在が土星付近に設置したワームホールに向かう。人類は生き残れるのか。

パラマウントとワーナーブラザーズの共同出資で、製作費は1億6500万ドル。監督のクリストファー・ノーランは2000年代のバットマンシリーズを監督するドル箱。多くの人が本を読まなくなるからインターネット嫌い。またCGをあまり使わず、フィルムで撮影する。フィルム購入でコダックと長期契約で、コダックはフィルム製造から撤退せずにすんだという逸話がある。結構変わり者の監督に思える。

本作の企画は、カール・セーガンに紹介されて以来の知人どうしであり、1997年の映画『コンタクト』でも共同した映画プロデューサーのリンダ・オブストと理論物理学者のキップ・ソーンにより考案された。スピルバーグも絡んでいたが、パラマウントを去ったため、ノーランが起用された。ノーランの弟のジョナサン・ノーランが脚本執筆に加わっており、兄を推薦したとのこと。脚本はクリストファーとジョナサンの共同執筆となりかなり書き換えられた。例えば、主人公のクーパーは二人息子持ちだったのが、下が妹に変更され、本作ではこの妹(マーフィー(マーフ))が大きな役割を果たす。考案者の理論物理学者のキップ・ソーン(重力波検出で2017年ノーベル賞を受賞)が科学コンサルタント兼製作総指揮を務めた。

主役のクーパー役のマシュー・マコノヒーは以前、コンタクトの宗教顧問パーマーをやっていたと後から知って、こんなところもコンタクトつながりかと思った。娘マーフィー(マーフ)の幼少期が特にかわいいが、俳優はマッケンジー・フォイ。その後はジェシカ・チャステインが演じるが、これもコンタクトのジョディ・フォスターを思い起こさせる。

全体に2001年宇宙の旅を彷彿させると思っていたが、やはり製作時に監督は常に2001年が念頭にあったとのこと。2001年宇宙の旅ではHAL9000がキーになるが、本作でもTARSとCASEという人工知能搭載のロボットが大きな役割を果たす。ノーランはロボットの擬人化を避けさせ、5フィートの四角形のデザインを採用した。なかなかユニークなデザインで、全くかわいくないのだが、動きにかわいさを感じる。また、TARSはジョークを言う。ユーモアのセンスは100%だそうだ。正直さは90%で、100%の正直さは人を傷つけるからのようだ。本作には嘘がたくさん出てくるのだが、これらの嘘のおかげで途中、映画がどう進むのか全くわからなくなり、観てるこちらがパニックになった。こんなことを思う映画はそう無いので、それだけでも観るとお得だ。

TARSはなかなか真摯で、途中泣かされる。常に主人公に寄り添い、最後もまるで出撃するXファイターに乗るR2D2のように主人公のお供をする。かわいいやつである。

宇宙船の造形にはCGを使っていないそうで、10~20m級の模型が使われている。また地球の映像は、成層圏を飛ぶ飛行機にIMAX撮影装置をつけて撮影したとのことで、映像へのこだわりはすごい。ワームホールの映像も、これはCGだが非常におもしろいので見所である。

基本的にはハリウッド映画の文法に沿っている。家族愛、米国愛(地球を救う活動をしているのはNASA、地球外惑星には米国の旗が立つ)、人類愛。そして人類愛と家族愛がアンチテーゼになる。本作ではそれに対する明確な答えは出さないで着地させている。最近、ちょうど、利己的な遺伝子であるDNAの自己保存や、ミームや共同主体としての社会規範(神話や虚構)の保存圧と、個人の欲求の達成の関係について考えていて、その点で非常に考えさせられた。

いろいろと書いたが、ワームホール・ブラックホール・相対論・タイムパラドックス等、SFネタがてんこ盛りで、科学考証やストーリーは考え尽くされているので筋が通らないなど余計なことに頭をひねりながら観なくてもよい、ジェットコースター型エンターテインメントだ。3時間弱の長い時間を夢中にさせてくれるし、鑑賞の後味も抜群によいので、観て損は無い。

シュタインズゲートに似てる?と思いながら観ていたが、ぜひ最後にシュタインズゲート・ゼロの最後のシーンが観たかったと思ったのは私だけでは無いだろう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました