[本]ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器

感想
ポール・アダム 青木悦子訳
あけましておめでとうございます。
ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器だが、大晦日から読み始めて元旦に読み終わった。昨年の初頭からシリーズ3作を読み始め、既刊の最後の本。最初の2冊は2014年に日本で出版されたが、本作は2019年の末に刊行された。日本の出版が世界初らしく、その顛末は訳者の記述に詳しくある。
バイオリン製作者のジャンニが、ヴァイオリンに絡む事件に関与し、真相を推理することになる物語。本人に特に推理の素養があるわけではないが、ヴァイオリンや音楽に関する知識に強く、そこから刑事のアントニオ・グァスタフェステに謎を解く協力をする。本作でもそこのコンセプトは変わらず、元教え子でノルウェーに住むリカルドがジャンニの住むイタリアのクレモナで殺害される話から始まり、ノルウェーのベルゲンに舞台を移し、八割方はノルウェーで展開される。
今回はノルウェーのヴァイオリンであるハンダンゲル・フィドルが大きな役割を果たすが、9本の弦を持つ少し特殊な楽器である。

なお、本作では事件に直接はからまないが、ノルウェーの作曲家のグリーグや、ノルウェーのパガニーニと称される作曲家・演奏家のオーレ・ブルにまつわる話もたくさん楽しめる。

今はインターネットで楽曲も楽しめるし、地図も簡単に参照することができるので、それらの助けを得ながら読むのも楽しいだろう。

ジャンニは60代半ばで、出てくる登場人物もことごとく30代後半以上で、恋をするのも40代や60代のおじさま・おばさま。若者に媚を売った作品ばかりの中で、こういう作品は貴重である。登場人物も愛すべき人が多いので、楽しく読める。

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