AI-301DA-SPとPMA-60

オーディオ

現在TEACのAI-301DA-SPを使っているが、以下の記事、

AI-301DAのボリュームについて
以下のブログでも少し紹介した、 2015年発売のTEAC製USB DAC/ステレオプリメインアンプ AI-301DA-SP/Sを2019年に購入し使用している。 USB DACとして使え、Bluetooth入力もあり、小電力なが...

で書いたように、ボリュームの挙動があまりよくなく、特に小音量の際の調整に難がある。以下の記事

スピーカーの位置の調整とサブウーファー導入
オーディオをいじりたくなる衝動は突然来る。 たまたまYouTubeで、創造の館 の動画がおすすめに表示されていろいろ見ていたら、スピーカーの高さがどう音質に影響するかなどが説明されていて、いろいろ目からうろこだった。 今はDali...

で、スピーカーに手を入れていると、小音量調整の際の非連続性とかが気になってしまい、前から気にはなっていたが、電源トラブルの噂が絶えないPMA-60をほぼ衝動的に購入してしまった。

AI-301DA-SPよりは少し高いが、35千円に対して45千円くらいで、まぁ同価格帯と言えなくもない。今回は、主に機能面について両者の違いをレポートしたい。

両者とも、PCからのUSB出力で音源として使用でき、またBluetooth入力も使用できるプリメインアンプである。出力は負荷8Ω時の定格が、AI-301SPが15Wに対してPMA-60は25Wで、その条件ではひずみ率は両者とも0.1%。PMA-60の方がドライブ能力は高い。

重ねてみると、AI-301DA-SPがいじめられているように見えなくもないが、幅はPMA-60の方がほんの少しだけ狭い。高さはかなり差がある。

正面のデザインは、PMA-60はきれいだが、ちょっと癖がありすぎて、好みは分かれると思う。左が電源ボタンで、右にはヘッドホンジャック、中央にボリュームノブがあり、その右上が入力切り替え、右下はBluetooth入力への切り替えボタン。

ボリュームノブが非常に大きく、完全にデジタル制御のボリュームなので、回す感覚も軽くて質感は高い。ただし、軸の硬度が不足気味で、もう少し丁寧に作って欲しかった。

AI-301DA-SPはシンプルで好感が持てるが、ボリュームノブの質感があまりよくない。可変抵抗器に連動しているので、回す感覚も重くて高い質感とは言えない。

背面の写真。基本的には入出力ポートはほぼ同じだが、AI-301DA-SPはLINE入力が2つ、Optical入力が1つ、PMA-60はその逆で、LINE入力1、Optical入力が2。スピーカー端子は両方ともバナナ端子対応のねじ込み式。PMA-60は外側の筐体で囲まれているので、埃防止には多少なるのかもしれない。

本体にボタンがほとんどないので、両者ともリモコンがついている。AI-301DA-SPのリモコンは、とりあえず添付されているという感じの普通のリモコン。特に問題があるわけではないが、PMA-60の気合いの入ったリモコンを見ると、ちょっと見劣りする。PMA-60のリモコンは、いままでいろんなリモコンを所有したが、それらのどのリモコンよりも高級感がある。本体設定を行うのにリモコン必須なので、どうしても使わざるを得ないが、通常の使用状況では全く使わないので、ここまでお金をかけなくてもなぁとは思う。

その他、比較写真を上げておく。AI-301DA-SPは民生品としては一昔前の安っぽい筐体という感じはする。質実剛健で悪くはないとは思うが、並べてしまうと差は大きい。

PMA-60の電源を入れると、ボリュームノブの左側に情報が表示される。PCとUSBでつなぎUSBをチャンネル選択すると下記のような表示になる。

ボリュームを調整すると、その時だけ音量がdBで表示される。

表示範囲は、-90dB~0dB。常時音量が表示されていないのはちょっと使いにくい。設定で表示項目を変更できるわけでもなく、ここは不満が残る。

ボリュームは完全にデジタル制御なので、小音量でも大音量でも同じ感覚で音量調整ができる。上から下までスムーズなことこの上なし。AI-301DA-SPではここが弱点なので、完全にこの部分ではPMA-60が勝る。

電源の自動オンオフについては、AI-301DA-SPは、ソースとの接続が切れれば数分で自動オフできる(設定による)。接続が回復すると自動でオンされる。これは非常に使いやすい。

一方PMA-60は、30分間音声入力がなければ自動オフできる(設定による)。一度オフになれば、再び入力があっても自動ではオンにならない。電源ボタンを押して電源をONにする必要がある。ここの使い勝手はAI-301DA-SPがよいと思う。

両者とも、電源オン時には本体の発熱はかなり大きい。しかし触れないほどではなく、50℃になることはなさそうである。

PMA-60は、勝手に電源がオフになってしまうトラブルがかなり報告されている。ヘッドホン接続時にのみ電源が落ちる現象は、どうやら修正されているようだが、相変わらずスピーカ出力の場合に突然電源が落ちるというトラブルは報告され続けているようだ。今のところそのトラブルは経験していないが、使用開始後1ヶ月くらいしてから起こり出すというレポートが多いので、まだ安心はできない。様子を見ていきたいと思う。

ヘッドホン出力について、PMA-60はかなりよいと書いてあるサイトがあるが、実際に聞いてみると、音質はよくない。設定で、ゲインをLOW/MIDDLE/HIGHから選択できる。デフォルトではMIDDLEになっており、最初ヘッドホンをつないだとき、音量が小さく、なおかつ低音が全然出ず、こりゃだめだと思ったが、HIGHを選択するとそれなりに改善された。しかしながら、決してよいとは言えないと思う。

AI-301DA-SPもあまりよいとは思わないが、大差はない。両者ともヘッドホン出力は補助機能だと割り切った方がよいと思う。両者ともプリ出力がないので、外付けのヘッドホンアンプを使うこともできないので、ここはちょっと困ってしまう。

スピーカーを鳴らしたときの両者の差は、基本的にはあまり感じない。普通に問題なくスピーカーを鳴らすことはできていると思う。アンプによる音質の差は、私はあまり重要視していないので、ここのレポートは期待しないでほしい。両者ともマックスボリュームでの残留ノイズもないし、特に気になるマイナスポイントはない。小音量時のAI-301DA-SPのボリュームの質がよくなくギャングエラー等が観測されるが、かなりの小音量時なので、通常は使わない領域で問題にはならないとは思う。

さて、両者を並べて使ってみれば、やはり1万円の差があるだけに、質感の差は大きい。TEACは民生品オーディオメーカーとしてはあまりメジャーでないためか、DENONの物作りの方がいろいろな意味で上手だと思う。デザインは好みが分かれるところだと思うが、1万円の差で質感の良さを買うかどうかは、いろいろな考え方があると思う。

 

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