K2の言いたい放題

2000年1月


1月30日(日)  K2Editorはフリーのまま  晴れ

K2Editorのシェア化についていろいろと意見をいただき、 ありがとうございました。あまりに多くの意見をいただいたので、 公平に一つ一つの意見について返事はいたしません。 ちゃんとすべての意見を読ませていただきましたので、 ご安心ください。

結論としましては、当初の予定通り、フリーで行くことにします。 当初予定通りカンパウェアにするかどうかは、もう少し考えさせていただきます。


いろいろと思うところはありますが、 多くは語らないでおきます。


一つだけ、書くとしたら、 ネットワーク社会は、ギブアンドテイクで成り立っています。 それを知らない人は、それだけは忘れないでください。

僕は、自分のソフトをあなたに使ってもらわなくても、 何も困らないことも知ってください。不思議なことに、 使わなくなると僕が困ると思っている人がいるということは、 今までも不思議に思っていました。 どういう発想をすればそういうことが思い浮かぶのか、 よくわかりません。こう書いても、そういうメールをくれた人は、 自分のことだとは思わないんじゃないかという危惧も持ちますけど。

1月26日(水)  K2Editorのシェア化  晴れ(今朝は雪が積もってました)

意外とすんなり宙返りができました。 2画面分割機能も搭載できましたし、 そろそろ歩こうと思います。3ヶ月くらい全速力で駆けてきた気がしますから、 そろそろ息切れがしてます。勢いというのは一旦ついたら止まらないもので、 休もうと思っても、ついついルーチンワークをこなしているんですね。

いろいろ書きたいことがあるんですが、いくつか。


仕様について。同じエディタを作っても、 その作り方は作り手によってちょっとずつ違う。 それをわかって欲しい。こうやりたいと思ってもできないこともあるし、 これが正しいと論理的に主張している場合もある。 他のエディタがこうだからこうが正しいという論法は、 非常に嫌い。どうしても合わせられない人は、僕のように自分で作りましょう。


フリーということについて。 フリーだから使うという人が多いです。なぜフリーなら使うんでしょう?

作者としては、フリーで作っているから手を抜くというのは、 実際のところできませんでした(はじめはそんなことを考えてもいたのですが)。 だから、フリーで作ったとしてもシェアで作ったとしても、 K2Editorに関しては、作品の質は変わりません。よく、 「フリーにしてはすごいエディタ」と書かれる方がいますが、 どうも気分悪いです。

僕としては、ちょっと気合いを入れすぎたかなという気がしてまして(笑)、 これをこのままフリーで出すと、 エディタ市場を乱してしまうことを恐れています。 正直、このエディタにかなうシェアウェアは、 シェアのエディタ全体でも半分に満たないと思います。 ちょっと、これはまずいかなと。

で、正式版ではシェアにすることを考え出しました。 カンパウェア(その気があればカンパしてねと意思表示するソフト) にすることは決まっていたのですが、 ある程度の機能制限をしてシェア化するというのも、 こんなに「フリーだから」と言って使う人が多いなら、 考えなくてはならないなと、ここに来て思っています。

シェア化されるのが嫌な人とか、シェア化賛成といわれる方、 ぜひご意見をください。 2種類の掲示板でもいいですし、メールででもよいです。

正式版は2月の半ばとにらんで、これからスケジューリングします。

1月25日(火)  ランディング前にもう1回転するか  天気:雪(こちらでは初雪)

いつの間にか雪降ってます。初雪です。ここは雪が少ないな。


GREPを登載して、K2Editorの最後の機能追加も終わりました。 これでヘルプを書いて正式版かと思っていたら、 本田さんところでボーナスが……

これを使おうと思ったら結構大きな変更になるけど、 これは是非欲しかった機能で、 本田さんにもお願いしていました。 安定させるまでまた時間がかかりそうだけど、 せっかく登載されたんだから、使わないとだめですよね。

着地前にもう1回宙返りをすることになりそうです。


ところで、話は変わりますが、 口げんかをしているとき、相手がしゃべっているのに、 わざとかぶせてたたみかけて、 相手に主張をさせないというのを子供の頃、やりませんでした?  周りにそういうことをする奴、いませんでした? 子供の喧嘩だよね。

10年くらい前から、そういうのテレビでよく見ません?  日曜の朝10時からとか、昨夜の10時過ぎとか。 子供が日本の舵を取るな。

1月21日(金)  歩くのは結構いいかも  天気:晴れ

雨が降らなければ、会社への行き帰り、30分ずつくらい歩いてます。 前に計測してみたことがあるんだけど、 その道のりを歩いても計7000歩にしかならない。 1万歩歩こうと思ったら1時間半くらいは歩かないといけない計算になります。 結構速歩きで歩いているから、普通に歩けば2時間くらいか。

まぁ、それはさておき、この距離を歩き出したのは昨年の10月くらいからです。 会社までの往き道をいろいろ工夫して、 車があまりなくてゆっくり歩ける道を探しました。 この冬は暖冬だと言われていますが、まぁそれでも冬は冬。 いつもの年だとセーターは手放せませんが、 今年はまだセーターを着たことがないです。 歩き出して20分位すると、体が温まって、寒さをさほど感じなくなりますが、 これをやると、歩いていないときも寒さに強くなるような気がします。

このおかげか、この冬、まだ本格的な風邪をひいていませんし、 体調はすこぶるよい。 今までいろいろと運動する手段を考えていましたが、 歩くのが一番続くみたいです。 がんばって腕立てとか腹筋とかやるのは、どうしても続かないので、 もうあきらめました(笑)。

普通に会社に行くより、20分程度早く家を出るというつらさがありますが、 習慣になってしまえば大して苦にはなりません。 サラリーマン+オンライン作家にはこれくらいでちょうどいいかな。

1月20日(木)  ちょっと疲れた  天気:晴れ

要望・不具合報告は、できるだけ貯めないようにして、 その場その場で処理しようと思っている。 それが超スピード開発の秘訣だが、ちょっと疲れた。 たまには休まないと……

でも休めない性分なんだよなぁ。 休んでいるつもりでも、頭からは離れない。これじゃいけない。

1月19日(水)  無粋な話だけどアクセス数  天気:晴れ

K2Editorを公開してから、 トップページのアクセス数は平均で10倍程度になりました。 今まで、どんなに宣伝しても1000件/日以上行くことはまれだったのに、 現在では2000アクセスを降りません。 アクセス数をあまり気にしすぎるのは無粋だと思いますが、 やっぱり気になるもんです。

トップページを置いてあるプロバイダは、京都インターネット(kyoto-inet)といって、 半官半民の第3セクタです。京都市民か、 京都に籍のある法人に勤める人だけが会員になれます。 当時、日本で一番安いプロバイダだったのですが、きっと今でもそうでしょう。 (年間6000円でアクセスし放題というプロバイダはたぶん他にはないでしょう)

そのkyoto-inetのアクセスランキングを発表しているページがあります。 トップ50には昔からほとんど入ることはなかったので(現在は常連です)、 「K」から始まるページのランキングを見ては、 どの辺にいるのかなと気にしていました。

日に500ヒットが多いのかどうかはよくわかりませんが、 ランクの周りのページを訪問して、 このページの感じでこのランクというのをつかめば、 ある程度自分のページのレベルがわかる気がしました。

中でも、 肩がこらないページ は、文章だけで常にトップ50に入る質の高いページです。 作者の方も、「文章だけで企業やXXXページに勝つ」目標を掲げていたような記憶があります。 このページが僕の目標になりました。 しかしTaskPrizeを発表しても、プリンを発表しても、 どうしてもこのページを抜いた日はありませんでした。

しかし、K2Editorを公開して3日目くらいに、 とうとうこのページは肩がこらないページの一つ上にランクしたのでした。 「恐るべきは汎用エディタの人気」と驚いたものでした。 正直、汎用エディタがこんなに人気を誇るというのは、 そのとき知ったのです。 それまでは、一部のコンピューターマニアックスな方が、 エディタあさりを趣味にするくらいにしか考えていなかったので、 つたない技術に支えられたまだ試作で機能も充実していないぽっと出のエディタに、 こんなに注目が集まろうとは思ってもいなかったのでした。

いや、そのアクセス数を目撃しても、「初出だからだよ。 1週間経てばアクセス数は元に戻ってるよ」と思ってたのです。 ところが、アクセス数は落ちることなく高いレベルをキープしたまま。 確かに毎日のようにバージョンアップをやっていますが、 それはプリンの時も同じ。どうにも違和感がありました。

ソフトウェアだけで、プロバイダの定番ページになれるというのは、 やっぱりオンラインソフト作家にとってはほこりです。 多少は無粋ですけどね。

この調子で、僕の中では主力プロダクトであるTaskPrizeにも、 今後注目が集まればうれしいですね。

1月18日(火)  いつまで経っても素人な感覚  天気:晴れ

どうも、僕って、いつまでたっても自分が素人だなぁと感じます。 この感覚って、いろんな局面で感じるんですが、 やっぱりオンラインソフト作っていてでしょうか。

本格的にオンラインソフトを作り出して丸4年くらいになりますが、 これに関してもいつまでたってもなんか素人なんだよな〜。 自分のできる範囲でいいものを作ろうとするんだけど、 自分のできる範囲を広げるのが難しいというか、 上には上がいるんだなとというか。

エディタ作ってて、作る前にイメージしていたものにほぼ仕上がってきた。 でも、ぞろぞろ出てくる他のエディタとか見てると、 世の中にはすごい人がいっぱいいるなぁなんて思っちゃいます。

年々、自分のスキルは上がってきて、同じアプリを作っても、 完成度は高くなってます。 2年前に今作っているエディタはきっと作れなかっただろうな。

でも、なんというか、発想の源は一つで、発想の原則はずっと変わっていない。 この原則って、変わらないものなのかな。 発想の原点は個人固有のもので、 これを変化させるのは長い年月と強い意志が必要…… っていうか、 基本的に変わらないと考えた方がいいのか。

これってオンラインソフトづくりだけの問題じゃなくて、 仕事をやっていてもそう。スキルアップを目指して日々努力しても、 発想の仕方が素人くさいんだよなぁ、なんか。この核の部分が変わっていかない。

もしそれが当たっているなら、 自分が将来どうなっていくかを想像する方法を変えないといけない。 「努力をすればきっとこんな人になっているだろう」という見込みは甘いのだと考える必要がある。

ん〜。うまく説明できないな。 今日の日記も失敗に終わる(笑)。

1月17日(月)  やっと先が見えてきたかな  天気:晴れ

とりあえず、K2Editorに速攻で印刷機能を搭載しました。 本田さんにおんぶにだっこですが、 本田さんが出しているTStringsPrinterをそのまま使用しました。

残る大きな機能は一つ。登載するかどうかまだ迷っているので、 明言は避けます。これを登載すれば一応K2Editorは完了としようと思っています。

いやぁ、時間がかかったな。 当初予定では11月中に終わろうなんて甘い考えを持っていたのですが、 やりはじめて見るとやってしまうもんだなぁ。 この調子で行けば、機能追加は1月中で完了し、 ヘルプなど正式リリースの用意で2週間、2月の半ばには終わるかな。


たかがエディタ、されどエディタ。 エディタ開発のことをよく知らない人に「エディタを開発している」と言っても、 何それって感じでしか受け入れてもらえないことも多い。 確かに基本ソフトで、Windowsのおまけにも付いてくるし、 エディタ開発にのめり込むというのは想像に難しいことかもしれない。 しかし、本当に基本的な、「文字入力を受け付け」 「文字を表示する」という2つのことだけでも、 一から作るとなると多大な労力・根気を要する。

エディタ開発に関しては、 自分で満足できるものはできないだろうなと2年前に思いました。 で、雛形になるエディットコンポーネント探しからはじめ、 いい時期にTEditorがソース付きで公開され、 それを使って自分で満足できるエディタが開発できました。 エディタを使う作業のほとんどを自分の作ったエディタでやるというのは、 一つの夢でもあったので、 これを実現したというのは僕にとってはすごいことです。


本来なら、 このエディタを使っていろいろなアプリケーションを作りたいところなのですが、 たぶん、応用製品はTaskPrizeだけになると思います。 TaskPrizeが終わったら、沈黙期間に入るつもりです。 時期は7月頃を目安に、それまでにTaskPrizeを仕上げるつもりです。 後半年ほどしか残されていませんが、 それまではがんばるつもりですので、今後とも応援よろしくお願いします。

1月14日(金)  K2EditorとHTML  天気:晴れ

常々書こうと思うことはたくさんあるんだけど、 いざ書こうと思うと忘れている。 今日も3つくらい書きたいことあったんだけどなぁ。 全部忘れてしまった(笑)

先日からHTMLファイルをK2Editorでかっこよく表示させようと思って、 いろいろ考えていました。 はじめは、タグを全部登録しようかとも思ったんですが、 HTMLのタグは必ず<>で囲むわけだから、 囲まれたものだけ色分けすればいいですよね。 で、それだけだとちょっと寂しいので、<>だけは別の色で着色。 また、ブロックタグ(<P>とか<UL>などの、 段落規定用のタグ)だけは主なものはキーワードとして登録して、 別の色で表現することにしました。

後は、<H1>などの見出しの文字列は別の色で表示。 これは目立たせたいのでボールドにしてみました。 で、できあがりが、これです。 なかなかシンプルだけど、目立たないといけないところは目立っているし、 いい感じかなと思います。


僕は仕事や趣味でかなり多くの言語に接します。マイナーなものもあります。 一度色分けのできるエディタを使ってしまうと、 新たな言語を使うときも、 色分けした状態じゃないと受け付けない体になってしまいます。 秀丸カラーバージョンが出るまで、 この辺に関してあまりいいエディタはありませんでした。 そのエディタが対応していない言語にカスタマイズだけで対応させるのは、 ほぼ不可能に近かった。

秀丸のカラーバージョンというのは、僕にとっては福音でした。 これが出たから、DSPのアセンブラもカラーエディタで書けたし、 VHDLなんかもカラーエディタで編集できました。

そういう経緯があるので、 K2Editorのカラー化方式は、 秀丸カラーバージョンをお手本にしているところがたくさんあります。 大きな違いは、コメント文字や文字列を表すための囲い文字の設定が、 自由にカスタマイズできるのか、 主なものをセットとして持っているかの違いです。 秀丸は、かなり豊富なバリエーションの設定セットを持っています。 ほぼこれで十分なんですが、ローカルなマクロ言語なんかの場合、 もちろん設定リストにはないんですよね。 で、K2Editorは、コメント文字などもカスタマイズできるようにしています。 だから、K2Editorのこの部分の設定は、ちょっとややこしいものになってます。 その代わり、どんな形式の言語にも対応できます。

もう一つの大きな違いは、K2Editorの強調語には優先順位があって、 優先順位の高いものほど後から描画されるので、 重ね塗りができるということです。 この辺の仕様の違いで、速度の差が出るのかな…… 秀丸は極速です。 速度では完全に負けてます。

現在perl用の設定を考えていますが、perlもなかなか癖があるのね。 コメントは行頭の#から始まるものだけのようだし、 文字列を示すための囲い文字は「""」と「''」の両方が使える。 perlに対応するために、r.0.9.0では仕様を拡張しました。


今日はちょっと文章がまとまんなかったな。 そろそろK2Editorの開発にもピリオドが打ちたいんだけど、 まだもうちょっとかかりそうですな〜。 いつになったらTaskPrizeをやれるのか、本人にもわかりませ〜ん。

1月13日(木)  マージ  天気:曇り

本田さんのTEditorで矩形選択がサポートされました。 これはK2Editorでも待ちわびていた機能なので、 早速ソースを合体させました。 元々の本田さんのTEditorは、K2Editorではかなり書き換えられています。 TEditorにはついていない水平・垂直ルーラーをつけたり、 強調表示のための改造、高速化など、変更点はかなりの部分に及びます。 これも本田さんがソース付きでTEditorを公開されているおかげです。

新しいTEditorが出たら、 そのTEditorでの変更点をK2EditorのTEditorに反映させなければなりません。 この作業をマージと言います。改造しているので、 差し替えるだけというわけにはいきません。

マージの作業は大変です。 もし、特に工夫をしないと、TEditorの差分を探して、 それを見ながらK2Editorを修正していくことになります。 しかし、どこがK2Editorでの修正で、 どこがTEditorでの修正なのか記憶しておかないと、 つじつまの合った修正はできません。この作業は細心の注意が必要で、 精神的にもかなりつかれます。

世の中にはこういう場面に役立つツールもありまして、 僕はバージョン管理システムのCVSを使用しています。

CVSに関しては、日曜ツール作者にとっても非常に便利なものなので、 おいおい紹介していきたいと思います。

CVSは優れもので、今まで自分が行った改造と、 TEditorでの改編を一つのソースにまとめてくれます。 もし、一つの箇所で違う改編がなされていると、 その部分が競合(コンフリクト)しているとして、 両方のソースを引用し、コンフリクトしているよというマークをつけてくれます。 CVSでマージした後、このコンフリクトマークを探して、 矛盾がないように修正すれば、マージ作業の完了です。


ところが、今回のTEditorの改造では、 本田さんはソース内の関数の並びを整理されました。 きれいになって見やすくなるのですが、こうなるとマージ作業は困難を極めます。 順番を変えてしまうと、CVSの改編箇所抽出機能でも、 それを追いかけることはできません。 CVSによって認識される変更点は非常に多くなり、 競合はほとんどの部分でおきました。こうなると、 ほとんど手動でマージするのと同じで、完璧なマージはほとんど不可能です。

幸い、ソースの順番を整理する変更以外の変更箇所は少なかったようで、 なんとか僕の能力でもおいかけることができました。 途中で作業を投げ出そうかとも思いましたが(笑)、無事作業は終わりました。

現在手元のK2Editorでは矩形選択が可能になっています。 他にも、主にコメント関連で修正を行いました。 もう少し手元で使い込んで、 バグやまずいところがないかどうかを確かめてからリリースする予定です。 矩形選択をお待ちの方は、もう少しだけ待ってくださいね。

1月12日(水)  キャリア  天気:曇り

どうも、最近会社嫌悪症候群。 なんかなぁ、会社に勤めててもつまんないんだよなぁ。 もの作ることが好きで、もの作る会社にいるのだけれど、 会社でものを作る喜びを味わったためしがない。 今なんて、結構恵まれてるんだけどなぁ。 入社以来、ずっと何でも屋をやってきてが、 なぜかこの2年間一極集中度がやたら高くて、 設計業務もちゃんとした。脳あり基板を設計してファームウェアも書いた。 でも、おもしろくない。

ちょっと先を見ると、もう何年かすれば、 会社で直接ものづくりをする業務からはずれるのは目に見えている。 それでも、僕は会社にいることに耐えられるか。 上からの評価で給与が決まり、全体の一部分だけを歯車となってやる仕事。

ものづくりは趣味だけにしておけばよかったのかなぁ。 未だに、進むべき道がよくわからなくて悩んでいるのだった……

1月11日(火)  意識の違い  天気:曇り

オンラインソフト作者をしていると、 メールや掲示板などでユーザーの方と接します。 その時に、どうも自分との意識のずれを感じます。

「不具合があるんだけど、そのうち取れるだろう」 「どうして、こんな不具合がまだあるの」 「新しいバージョンを試してみたけど、この不具合がまだ直ってないよ」

上記の不具合は、すべて初出のものです。 つまり作者の僕は認識していないもの。 どうもユーザーは、 自分が経験した不具合はみんな経験していると勘違いされるようで。

ツール作者が抱えているユーザーの数など、 よっぽどの人気ソフト以外なら、数十人が関の山。 そんな小さな母集団で、すべてのバグが出し切られると思ったら大間違い。 ある不具合を発見したら、それははじめて発見された可能性が非常に高い。 だから、それは作者に伝えてあげましょう。

ただし、不具合は、 作者が間違えて入れてしまった不具合ではないかもしれません。 ユーザーの環境のせいとか、使い方が間違っているとか、 そういう仕様なんだとか、そのソフトのせいじゃない場合も多々あります。 そのソフトのせいかどうかまだわからないのに、 「バグ」だの「不具合」だの連発されると、 ちょっと頭に来ます。

これは僕だけかもしれないけど、 どうも「バグ」といわれるのは気分が悪い。「不具合」ならいいんだけど。 言葉のニュアンスの問題だからなぁ。気持ち的には、 「不具合」は、 プログラミング上の論理的な間違いであるという断定がなされていないような気がする。 「バグ」というと、責任はすべてプログラマに押しつけられているような気がする。 そういうことかな。

ちょっと脱線したけれど、 今回言いたかったのは、不具合を発見したら、作者に伝えてあげよう。 そうじゃないといつまでたってもその不具合は修正されないだろうし、 それは伝えなかったあなたの責任でもあるのよ。 だからいつまでたっても報告しない不具合が修正されないからといって、 残念がったりうらんじゃだめということ。

1月6日(木)  宝物  天気:曇り

K2Editorを作るにあたって、 TEditor (作者本田勝彦さん) を使用していることは何度も書いています。

非常によくできたDelphi/C++Builder用のコンポーネントで、 これがソース付きで公開されているからこそ、K2Editorが世に出たわけです。

エディットコンポーネントに関しては、2年くらい前から敏感になっていて、 いろいろと調べているのですが、 かなり高度なテクニックを要するもので、 EmEditorのEmSoftから5万円のActiveXが出ているくらいです。 僕のようなツール作者にとって、5万円のコンポを買うのは不可能ですから、 これは選択肢からはずれます。

最近も一応敏感にはなってます。TEditorから離れるつもりはないですが、 どんなものがあるのかというのは、一応知っておきたいので。

昨年末から、エディットコンポーネントとしてβ版であり、 シェア化するときに3万円強の値をつけるつもりだというコンポがあります。 日本人の作ですが、結構うたい文句の風呂敷が大きくて、 期待しちゃいます。「最高のパフォーマンス」「世の中のエディタには、 すべて致命的なバグがあることを発見したが、 このコンポでは開発当初からバグは0」 「行数無限をうたうエディタは動作確認をしているのか。 32kB超も読めますといううたい文句はちゃんちゃらおかしい」などなど。 コンポーネントの構造が複雑で、 自分でそれを使って開発する環境をセットアップすることはできませんでしたが、 サンプルアプリがアップされているので、使ってみました。

一つのサンプルは起動だにしない(バグ0ちゃうんか)。 もう一つは起動はしました。 10M程度のテキストファイルを読んで、 そのサンプルとK2Editor(つまりはTEditor)と比較してみましたが、 読み込み速度、編集速度ともTEditorの勝ち。 ただ、2画面同時編集がサポートされていて、これについてはいいなぁと思いました。


そのβ版のサイトを覗いた限りでは、 あまり多くの人の意見を聞いているという感じではないですし、 ちょっと独りよがりかなぁという感じがします。 特にオンラインソフトの作成というのは、独りよがりはだめですね。 ユーザーによるテストによってじっくり練り込まれていく作業が絶対に必要で、 これなくして優れたオンラインソフトはできません。 テストしてくれるユーザーという人的資源は、 幸運に恵まれないとなかなか獲得できないもので、 これは、オンラインソフト作家にとって、一つの財産になります。 いいユーザー群を持っているかどうかで、 オンラインソフトの質の向上は全然違ってきます。 いいソフトを作ろうと思ったら、 如何にいいユーザーに巡り会うかということも努力しないとだめだと思います。

1月5日(水)  今年も作る  天気:曇り

あけましておめでとうございます。今年もよろしく。


昨日、プラモデルを買いました。自分で買ったのは、中学生以来だな。

小学生の頃、プラモづくりは好きで、山ほど作りました。 ただ、その頃は組み立てて形ができるのが楽しかったので、 リアリティとか、完成度とかはあまり考えていませんでした。 色もあまり塗ったことがなかったし、丁寧さよりも、 組み立てること自体が目的でがむしゃらにやってました。 5000円くらいのプラモを1日で組み上げてしまうのって、 今考えるとあまりにももったいない。

たとえば、車を作るにしても、実車の構造というものにはあまり興味がなかったので、 エンジンのディーテイルを細やかに再現したすばらしい模型も、 僕にかかれば組立が目的のただのパーツでしかありませんでした。

大人になって、こういうのを作ると、 ものの見方が全く変わっていることに気づきます。 そのものの構造自身に興味があり、基礎的な知識もあるので、 如何に本物らしく作るかとか、逆に作ることによって構造を知る楽しみもあります。 丁寧に時間をかけて作ることを楽しむ余裕もあります。


今回買ったのは、F1の車です。 1970年代に走っていたTyrellのP34という車で、非常に有名な6輪車。 まだこんなの売ってるんですよね。もしかしたらうちの親父は、 これを作ったかもしれない。そんな覚えがあるのだけど思い出せない。 いろいろ見てみたけど、昔の田宮の模型は、やっぱいいわ。部品の数といい、 雰囲気といい。最低限、買う前にふたを開けて組立説明書を読まなければいけません。 説明書もいいですよ。日本語と英語のものの2冊が入ってました。 一緒に、カラーリング用の塗料や筆なども買ってきました。

昨日、作り始めましたが、いやぁ、やっぱり子供の頃とは作り方が全然違うわ。 昨日の作業時間は5時間くらいだけど、 その間に組み立て説明書の3コマくらいしか進みませんでした。 部品一つ一つに色を塗るなんて経験ははじめてだけど、 これがまた楽しい。嫁さんも手伝ってくれるので、 家族の団らんということになります(やっぱ俺ってめぐまれてる?(笑))。 座席の前に置く消化器に赤色を塗り、水で剥がして貼り付けるステッカーを貼って、 所定の位置に取り付ける。これだけでもゆうに1時間以上かかります。 いやぁ、おもろい。おもろいが、「なんで、 意味もない作業に時間を費やして、 忙しさに輪をかけるようなまねをするんじゃい」 と宣う僕もいらっしゃります(笑)。確かに意味ないよなぁ。 ゲームやるのも意味ないけど。


ソフトづくりの合間に、ちょろちょろと作って行こうと思います。 1ヶ月くらいはかかりそうですね。これを買ったのでハンコンはなしになりました。