1999年5-6月
先日、K6-2 380MHzを購入した話を書きました。 現在、300MHzで動作させています。熱も全く問題ありません。
実は、交換するときに、 うちのマザー(SP97-XV)のバスクロックをあげてみました。 結果的に66MHzよりも速いクロックでは動作しなかったのですが、 その実験中に、WindowsNTのシステムを壊してしまいました。 で、その土日はNTの再インストールでつぶれてしまいました。
SP97-XVが66MHz以上でなぜ動作しないのかは、ちょっとわかりません。 一応OSの起動までは行くのですが、そこでこけてしまいます。 メモリのせいかもしれません。 まぁ、どうしてもクロックアップする必要性も感じていないし、 とりあえず66MHzでいいやということで、現在安定動作しています。
一度こういう経験をすると、 クロック倍率をあげていくのもちょっと躊躇してしまいまして、 当初の予定の300MHz以上の設定もまだ行っていません。 まぁ、これはおいおいやることになるでしょう。 400MHz程度の動作はさせてみたいです。
熱の発生はどうかと言うことなんですけど、全く問題ありません。 300MHz動作なら、前のMMXPentium-200よりも消費電力は小さいですし、 まず問題ないでしょう。ただし5V駆動のファンはつけてあります。 これをはずす実験もやってませんが、 さすがにはずしての安定動作はちょっと無理でしょうねぇ。
さて、200MHzから300MHzに変更したわけですが、 ほとんど速度差を感じません。 やっぱりCPUだけパフォーマンスアップしても、だめなんですなぁ。 ファイルの圧縮・展開くらいは速くなった感じがします。 Windows版のSuperπでは、2割程度速くなる程度。
こうなると、ベースクロック100MHz以上の世界に突入するしか、 現在のところ速くする方法はないですね。 でもそれには膨大な(僕にとっては膨大です)お金がかかるのです。 そんなお金があったら、他に欲しいものややりたいことがいっぱいあります。
パソコンも、やっと3年は寝かせても問題ない時代が来たということでしょう。 1年経って、総合性能2倍というのは、過去の話になりました。 みなさんも、あんまり惑わされて、どんどんグレードアップするのは考え物ですよ。
トップページから、特殊用途ツールというのを追加しました。
今回追加したTableBuilderというソフトは、 一般の向きからは全く無用のソフトです。 僕が会社で使用するために作成したソフトなのですが、 もしかしたら需要があるかもしれないので、公開しました。
なんに使うのか、一般には全くわからないと思いますが、 ちょっとだけ説明しておきましょう。
CPUボードを開発する場合、CPUのプログラムコードをROMに焼き込み、 それをボードに搭載します。 パソコンで言うとBIOSのFLASH ROMのようなものです。
ここに書き込む機械をROMライターと言いますが、 このROMライターにファイルをパソコンから転送し、 一旦ROMライターの中に書き込むROMのメモリイメージを作成します。 その後、ROMライターに刺されたROMに対して、 ROMライターはメモリイメージを書き込みます。
この転送するファイルですが、 世の中には代表的なファイルフォーマットとして、 Intel-Hex形式やMotorolla形式などが存在します。
プログラムや、他のROMに書きたいテーブルが複数ある場合、 Intel-HexやMotorola形式に変換したバイナリコードを、 ROMライタにいくつも転送すればいいのですが、それはちょっと面倒。 まぁ、通常はエディタによる手作業でファイルをくっつけてしまうことも可能です。
ところが、 転送するファイルがIntel-HexとMotorolla形式が混じっていたらどうするか。 また、単に16進数がテキストで並んだファイルも処理したかったらどうするか。 まぁ、簡単な方法はあんまりないです。
今回作ったTableBuilderを使用すると、 ROMの中での各ファイルの位置なども指定した上で、 同じ形式のファイル一つに落とすことができます。
また、主にDSPボードでは、 フィルタ係数をROMに別途書き込んでおきたい場合があります。 フィルタ係数は、一般に小数点付きの数字で管理したいものです。 このTableBuilderには、 小数点付きの数字をバイナリコードに変換する機能もつけました。
制約事項も多いので、プロの方でもどこまで使用できるかわかりませんが、 使ってもらえれば光栄です。
ところで、どこにもリンクを張っていないので、ここの常連さん以外で、 このソフトにたどり着くのは至難の業(笑)。 ロボット検索サイトに登録されれば、やってくる方法もあるでしょうけど、 まぁ可能性は低いわな。 きっと世の中には、こんなソフトが山のように埋まっているんでしょうなぁ。
先日CPUの話をしましたが、発注しました。K6-2 380MHz。書いた通りです。
秋葉の最低価格を調べると、先週末で8499円(ソフマップChicago)。 秋葉まで行くと、往復で2000円程度かかります。とすれば、 多少CPUの値段が高くても、通信販売の方が安上がりだし、時間も節約できる。
パソコン部品のインターネット販売では、TWOTOPが老舗で品揃えも多いのですが、 どうも悪い噂が後を絶たない。僕自身は、 見積もりのやりとりしかしたことないのですが、確かにものをたくさん買う場合、 メールでの見積もりのやりとりをすると、1週間くらいは簡単に経ってしまう。 あんまりにもTWOTOPはよくないとみなさんおっしゃるので、 とりあえずTWOTOPはパスしました。値段もそんなに安くなかったし、 おまけにK6-2 380MHzは、未定。
最低価格をつけているソフマップに通信販売はあるかなとWEB PAGEを見ると、 ちゃんとあるじゃない。ソフマップって、いつから通信販売やってるの? ちょっと前はなかったような…
値段は9580円で、送料は900円。それでも手間の分だけ省けるし、 「いっちゃえー」と勢いに任せて発注のボタンを押していました。
これ、土曜日の話なんですが、昨日、正式に発注受け付けメールが来ました。 なんと、CPUの値段は8500円! 秋葉の最低価格(まぁソフマップなんだけど)に1円差。 これなら、わざわざ人の多い秋葉に行く必要ないなぁ。すばらしい。 ソフマップ様々。なんかすごく得した気分。
納品には1週間前後かかるということなので、着くのはまぁ来週かな。 そんなに急ぐもんでもないし、全然問題ありません。
もう一つ、ご報告。 先日のビデオの修理見積もりが来ました。1万円を切る値段で、 予想を裏切られました。2万円なら、新しいのを買う決心ができていたので、 肩すかしをくらった感じ。
1万円で修理できるなら、まぁしゃーないなぁ。 とりあえず修理しておいて、買い換えをどうするか、今後考えることとします。
先週の後半、猛烈な眼底疲労と頭痛に襲われました。 水曜日の仕事中にすごくつらかったので、風邪かな? とその日は早く帰り、 木曜日朝起きると、頭痛が治っていないし、若干微熱もあったので、会社を休みました。
木曜日一日休むとほぼよくなったので、金曜日に出社。 するとまたその日の帰り際に、眼底疲労と頭痛。
風邪だろうか… と勘ぐっていたのですが、昨日、ふとあることを思い出しました。
僕は、仕事上、一日中ビデオモニタを見ています。これが非常につかれるので、 コントラストをかなりしぼって、暗い状態で見ています。 人間の目は良くできていて、多少暗くても、1時間も作業すればすぐに慣れます。
コントラストを目にわかる程度に落とす(これを1段階分とする)と、 たぶんエネルギー的には半分程度になっているはずです。目を慣らしながら、 2回くらいコントラストを絞る作業を行えば、エネルギーは4分の1程度になるはず。 事実、この状態にすると、 もう1日12時間以上モニタを凝視していてもほとんど疲れません。
で、問題の先週なのですが、黒地に白文字の状態だと、 白文字があまりに見にくいので、 コントラストとブライトネスをいろいろといじっていました。 黒地に白文字で作業する仕事が、ちょっと増えたので。 たぶん、その時に、コントラストがかなりあがってしまったのでしょう。 で、疲れがてきめんに出てしまいました。
早速、今日出社して、コントラストを2段階程度下げました。 下げた時は、暗くて暗くて見にくかったのですが、今(昼休み)、 もう慣れてしまって、何も感じなくなりました。
VDT作業者は、法律的に、定期的に健康診断を受けることになっているはずです。 前々からおかしいなぁと思っているのは、VDT作業者の定義とはなんぞや? ということです。 僕は、技術職ですが、特にVDT作業者ではないようです。 しかし、1日中、モニタを見ています。僕がVDT作業者でなければ、 いったい誰がVDT作業者なの? 法律的にどうなっているかは調べていないので、ちょっとわかりません。
もし、目が悪くなっても、労災としては認定されないんだろうなぁ。 となれば、自分で防衛するしかありません。
最初に書いた、コントラストを2段階落とす (つまり目にわかる程度にコントラストを落とす作業を、 目が慣れるのを待って2回する)ということを実践すれば、 目や頭や肩にかかる負担は、驚くほど軽くなります。
だまされたと思って、お試しあれ。
うちの8mmビデオが、また壊れました。 買ったのは4年くらい前なのですが、もう3度目になります。 前に壊れてからまだ1年経ってません。これだけ頻度が高いと、 ちょっと腹立ちますなぁ。T芝製です(うちの家で唯一のT芝じゃないかな)。
毎回2万円程度の修理費を取られていまして、今回もそうだろうなぁ。 たまりません。VHSのデッキが修理費だけで3台買えます。 だいたい、アフターサービスで儲けようという魂胆が気にくわん。 うちの会社は、アフターサービスで儲けてません(単に儲けるのが下手なだけ)。
今回は、いきなり電源が入らなくなりました。 スカパー導入で、チェックするテレビが増えているので、 このビデオがダウンすると、ちょっと困ってしまいます。 前回も修理に約1ヶ月かかってます。今回も同程度かかるとすると、 1年のうち2割は使えない時期ということで、ちょっと多すぎるんちゃうかー! 現在、修理費の見積もり中です。
で、買い換えも視野に入れています。 VHSのビデオデッキは、コストパフォーマンスではダントツなんですが、 僕には、どうにもあのVHSテープの大きさが許せません。 どうして、あんなでっかいテープなのに、みんな我慢して使ってるんかなぁ。
うちにもVHSのデッキはあります。半分くらいはVHSのテープなんですけど、 やっぱ、置き場所に困ります。単行本くらいのスペースをとるでしょ? で、うまく整理ができないと、テープは貯まる一方。 やっぱりどう考えても、主力をVHSにするのは嫌だ。
僕自身のメカ経験で、テープの走行系ほど壊れやすいものはないと、 認識しています。本当は最低でもDISC系のメディアがいいんですけど、 どうもDVDで録画できるものは、ここ2〜3年は出てくる気配がない。 (というか、永遠に出ないのではないかと僕は感じてます。 メーカーにやる気が見えないもん)
そうすると、VHS以外で、次の主流になるのは、 デジタルビデオということになりますが、こいつのデッキは、 まだまだ馬鹿高い。今買える代物ではありません。
「やっぱり、もう5年は8mmでがんばるとして、新しいのを1台買うか。 来年以降、8mmビデオデッキはますます手に入りにくくなるだろうしなぁ。」 と、いろいろと調べています。もう、SOMY1社しか作ってないのよね。 どうしてもBS付きが欲しい。 となって調べてみると、8mmビデオ+BSというシンプルなものは出ていない… VHSと一緒になったものしか、BSが付いたものは存在しない。 やたらメカが複雑になるのは、それだけ壊れやすくなるし、 本当は避けたいんだけどなぁ。でも無いなら仕方ない。
ということで、修理代の見積もり次第では、 新しいものを買おうと思っています。 でも、VHSと比べると、コストは4倍よ。ほんとに、買うの?
さて、先日は、パソコンの消音に取り組んだわけですが、 それに関連してCPUの消費電力について、ちょっぴり調べてみました。 その過程で、この1年、自分のパソコンについてどうしようかというのを、 一緒に考えてみようと思い立ちました。
まずはCPU編です。
まず、現在使用しているCPUはMMX Pentium 200MHzという、 前の世代のスタンダートCPUです。ほとんど速度的に困ったことはないのですが、 世の中はあれよあれよという間に進み、私は置いてきぼりをくらってしまいました。 で、買い換えるとしたらどうするかを考えてみたいと思います。
現在のパソコンで、速度アップの律速段階になっているのは、 CPUではないことは広く知られています。 ハードディスクを考えないとすると、 メモリバスアーキテクチャが次の世代に進まない限りは、 劇的に速度アップするとは考えられません。 キャッシュに関しても、もうこれ以上容量を大きくしても、 速度的に飽和していることはそろそろみんな気づいていくことでしょう。
とすると、CPUクロックだけを速くしていっても、 実用パソコンという観点からすると、あまりおいしくないことがわかってきます。 クロックアップによる消費電力の増加の方が問題になってきます。
僕の理想は、「CPUファンなし」なんですが、さすがにちょっときついことが、 今回の調査で見えてきました。 で、現在MMX-Pentium 200を5V駆動のCPUファンで動作させられている観点から、 最適なCPUを選択してみたいと思います。なお、僕の好みから、 メーカーはIntelとAMDに限らせていただきます。
MMX Pentium 200は、実は非常に省電力なCPUでした。 発生熱量はTypicalで7.3W、Max15.7Wです。データシートによっては、 Typical値の記載がないものがあるので、ここではMax値を使います。
対して、この時代の一方の雄、K6はどうだったかというと、20Wです。 僕もK6-200MHzシステムを所有していましたが(実家にあげました)、 このシステムは、 夏の暑い日にCPU 100%1時間には耐えられませんでした。
で、どこに線を引くかなんですが、 CPUファン5V駆動を考えると、どうしても20W以下にする必要があります (20Wでは結構厳しいものがありそう)。
ただし、買い換えるのですから、300MHz以上はねらいたい。 ということで、300MHz以上・20W以下のCPUで一番いいものを探すことになります。 もう一つ大きな視点は、なるべく価格の低いものという点。この点は見逃せませんね。
まず、今をときめくPentiumIII。こいつは450MHz以上しかありませんし、 450MHzの消費電力は25.1W(結構優秀なのだが)なので、却下となります。 まぁ、高いしね。これには手は出さないでしょう。
次に、まぁなんとか手の届く価格のPentiumII。 350MHzで21.5Wという数字が出ています。 350MHz以下のPenIIはもはや手にはいらないので、これも却下です。
次にceleron。廉価な割にクロックアップ耐性が強くて、 おまけにDualProcessorシステムが裏技で組めてしまう (ただしSlot1タイプのものではないですが)ので、 マニアの間では人気爆発の石ですね。 もはやSlot1タイプは、300MHzも市場では見かけなくなってしまいました。 最低が400MHz。24.2Wです。ほぼPentiumIIと同じです。 ただし、300MHzまでクロックを落とせば、16.6Wと、なかなか魅力的になります。
celeronなら、Socket370タイプのもので、300MHzはまだ存在するようです。 18.4W。これならOKですね。
さて、AMD陣営、行ってみましょう。一番投資額の小さいK6-2。 350MHzくらいから市場にも存在するようで、350MHzは19.95W。ぎりぎりですね。 K6-2は、非常に消費電力が優れていて、400MHzでも22.7Wです。PentiumIIは24.3Wなので、 1割弱ほど少なく済みます。300MHzまで落とすと、14.7W。 これは現在使用しているMMX Pentium 200より、消費電力が小さい! 考えようによっては、400MHzのK6-2を買って(それでも1万3千円)、 300MHzで動作させれば、非常に省電力なパソコンが作れそうです。 そのクロックダウンの分、CORE電圧を下げれば、もしかしたらCPUファンが不要かも…
K6-IIIになると、K6でも問題になった消費電力の増加が顕著になります。 400MHzで26.8W。これはちょっと問題です。PentiumIIIの450MHzよりも大食らいです。
さて、最初の視点である、300MHz以上、20W以下ということになると、 celeronか、K6-2ということになります。必要以上の投資をしないとすると、 もうK6-2にほぼ決定ですね(笑)。何? 最初から決まっていたんじゃないかって? ご想像にお任せします。
ただ、今回調べてちょっと意外に思ったのは、PentiumII・PentiumIIIの消費電力が、 思ったより小さいということです。もっと大食らいかと思っていたのですが、 PentiumIIIの500MHzでも28Wで、これは初代K6の233MHzと同じくらいです。 消費電力に関しては、Intelは結構な技術力を持っていそうですね。
ただし、K6-2の400MHzには問題があって、動作温度範囲が0〜60度なんです。 通常は0〜70度で、これは380MHzのK6-2でも同じです。 400MHzのK6-2を380MHzで動作させると、70度までOKなのかは、 データシート上はだめなことになっています。 予想ではダイは同じではないかと思われるのですが、 価格の点からも380MHzを購入するのがよさそうです。
このK6-2 380MHzで、クロックダウンとCORE電圧の低減の実験をして、 一番いい落としどころを探すのがよさそうですね。 市場価格は現在1万円程度。いい時代になりました。 大蔵省の許可が出れば、買ってみたいと思います。 ただし、380MHzや366MHzはあまりメジャーじゃないようで、 もしかしたら手に入らないかもしれませんね。
お久しぶりです。 仕事がとてつもなく忙しいので、まとまった文章を書こうという気が、 なかなか起こりません。E-Mailでのやりとりくらいが精一杯で、 今まで書き込んでいた掲示板やBBSなどには、現在書き込む余力がないので、 関係者の方々には申し訳なく思います。
さて、本日のお題は、パソコンの音です。 うちの家のパソコンは自作PC-AT互換機です。スペックとしては、 現在のハイスペック競争からするともう時代遅れも甚だしくなってきました。 CPUはMMX-Pentium200M。マザーが非常に廉価版なSP-97XV。メモリは64M。 ビデオカードだけは、ゲームをするためにBansheeチップ搭載のものを使っています。
ケースは、テクノバードのIW-A500というものです。 結構定評のあるケースですし、価格も安い。外観もきれいなので、 なかなかおすすめだと思います。
前からずっと気になっていたのですが、このパソコン、結構音がするんです。 特に夜、TVを消したりすると、結構気になる。 物事を熟考しながらパソコンに向かうとき、こういう音は雰囲気をぶちこわします。
で、まずはなんとかならないかということで、いつか分解して、 いろいろと試してみようとと思っていました。幸い、この土曜日、 たまたま朝の5時頃に起きてしまったので、朝もはよから、周りの迷惑も顧みず、 パソコンの分解をはじめました。
音を小さくすることは、風の流れを研究するところからはじまります。 というのも、うちのパソコンの音の主成分はファンの音だったからです。
ファンの電源電圧を下げて回転数を落としてやれば、もちろん音は小さくなります。 しかし、それだけをやると、排気効率を落として、冷却性能が悪くなります。 で、まず、風の流れを見てみました。
ミニタワーのケースでは、背面上部に電源ユニットがついています。 ATX仕様のほとんどのケースは、この電源に取り付けられたファンが唯一の排気装置です。 最初に「おや」と思ったのは、パソコン上部のファンの向きが、 風を取り込む方向であったということです。 確かに、パソコン背面の風の取り込み口にほこりがたまるので、簡単にわかるのですが、 これは機器の冷却設計の観点からは、あまりよろしくない。 熱せられた空気は上方に上ってくるので、上から排気するのは常套手段なのです。
今回の作業で、できれば排気の方向を変えてやろうともくろみながら、 電源ユニットの分解をはじめました。 ファンが1個内蔵されていますが、 このファンを電源ユニットから取り外して回して見るとほとんど音はしません。 ところが、電源ユニットに組み込むと音がする。 空気の取り込み方向の空隙が狭かったり、スムーズに風が流れないと、 風きり音が発生しますが、今回はまさにこの問題でした。
よって、先ほどの問題との一挙解決をねらったのが、 単にファンを裏返して取り付けるという方法。 これで、パソコンの排気ファンの音は、ほとんど聞こえなくなりました。 いざとなったら、電源ケーブルをつなぎ変えて5V仕様にしようと思っていたのですが、 その必要はありませんでした。
ついでに排気効率を上げるために、パソコン背面側に露出する電源ユニットの面に開けられた、風排出用のスリットを広げておきました。ペンチでこじって、穴を広げただけです。 鉄の穴を広げるのは、ちっとニッパでは無理だったので、こじるだけにしました。 当然、下面から空気を取り込むので、前面下部のプラスチックの穴も、 ニッパで広げて置きました。
次に音がするのが、CPUファン。こいつは、もうえいやっと、 12Vから5Vに電源を改造しました。 マザーボードのCPUファン用コネクタからは、5Vが出ていなかったので、 電源ユニットから出ている電源コネクタからアダプターを介して電源を取るようにし、 12Vと5Vを入れ替えてみました。そうすると、見事に音はなくなりました。 ちょっと気になるのはCPUの温度なのですが、測る方法がないので、 後からSuper-πテストでもしようと思っています。
ここまで来ると、ファンの音はほとんど聞こえなくなりました。 すばらしい。自分でもこんなに音が小さくなるとは思っていませんでした。 ここまでの作業時間は小1時間。やってみる価値はありますよ。
ただ、ここまで来るとHDDのスピンドルモーターの音が気になる。 音には定評のあるIBM製ハードディスクを使用しているので、 シーク音は本当に静かです。しかしスピンドルモーターの音までは、気が回らなかった。 うーん、うるさい。筐体から浮かせてみようかとかいろいろ考えましたが、 振動が筐体に伝わって音がしているわけではなく、 どうやらHDDのモーター自体から音が出ているようです。 これを低減するには、布でくるむとかしか考えられないのですが、 結構熱を発生するのでそんなこともできないし… と、 今回はここまでであきらめました。
組み立てて、定位置に置いて稼動させてみましたが、音は驚くほど低減しています。 ハードディスクのスピンドルモーターの音がかなり気になります。 BIOSのパワーセーブ機能が働いて、ハードディスクのモーターが止まると、 電源が入っていることに気づかないくらいにはなりました。 とりあえず、めいっぱいパワーセーブして、静穏パソコンを堪能してみることにします。
思うんですが、最近のSlot1系のCPUは、消費電力がばかでかいです。今回のように、 CPUファン電源を5Vなんかにすると、たぶん動作しないのではと思います。 Pentium-133クラスでは、 メーカー製でも大きな放熱器がついているだけというものが多かったです。 それなら音は全く出ないし、環境にもやさしい。 最近のSocket7のCore2.1Vのものを、ちょいとクロックを落として、 Core電源を落とせば、もしかしたら放熱器だけのシステムが組めるかもしれないなぁと、 改造をしながら考えていました。実際、MMX200クラスで、 遅いなぁと感じることはほとんどないんです。 とすれば、省電力・静穏の方向を考えていくのも、一つの方向じゃないかなというのが、 今回の試みのきっかけでした。 データシートなどを見ながら、これからも考えてみたいと思います。